エジプトコッタミア天文台における作業日誌  2009-11-23/12-09 T. Sasaki エジプト・コッタミア天文台 188cm望遠鏡システム技術支援 2009年11月13日-2009年11月26日 日本側参加者 佐々木敏由紀、野口猛、小矢野久 エジプト側対応者 Dr. Hamed Ismail, Dr. Gamal Ali, Dr. Ahmed Essam, 他数名 作業概要 コッタミア天文台 188cm 望遠鏡での不安定星像に関して、その主因である主鏡アキシャル サポートおよび同固定点の設定不具合をハードウエアの改善とその設定を行う事によって 改善し、ニュートンCCD撮像機能の確立を図った。主鏡アクシャルサポートの改善後に ハルトマンテストを実施し、光学性能の定量的測定を可能とする測定を行った。 今後のコッタミア天文台の天体観測機能を拡充するための諸機能の検討を行った。 以下に、実施した作業項目を列挙する。 1.188cm 望遠鏡主鏡アキシャルサポートおよび同固定点の高さ調整 2.ニュートン副鏡構造の調査、検討 3.ニュートン副鏡支持機構の調整およびニュートン焦点CCD撮像機能の調整 4.ハルトマン・テストの実施 5.ドームフラットスクリーンの設置場所の検討・決定、同光源の望遠鏡同架設置箇所の 検討および計測 6.CO2スノー鏡面洗浄装置の設置検討 7.プリウエット法を用いたアルミ蒸着方法の検討および同蒸着装置の調査 8.液体窒素、CO2用シリンダーのコネクター調査 9.カセグレン光学バッフル取り付け位置の検討・調査 なお、コッタミア天文台は、カイロから直線距離60kmの砂漠地帯の標高483mの位置にあり、 自動車でカイロから約1時間30分を要す。観測者用宿舎が利用可能であり、共同観測施設と しての住環境は確立している。コッタミア観測所には、188cm望遠鏡と同真空蒸着装置が同一 ドーム内に設置されている。ドーム内では、衛星通信によるインターネット接続が可能である。 ディーゼル機による自家発電を行っており、昼過ぎから夜間観測時には給電されている。 行動日程 2009年 11月13日 機中泊 羽田->関西空港-> 11月14日 コッタミア泊 ->ドバイ->カイロ->コッタミア 188cm 望遠鏡主鏡アキシャルサポートおよび同固定点の高さ調査 11月15日 コッタミア泊 188cm 望遠鏡主鏡取り外し、主鏡アキシャルサポートおよび 同固定点の高さ測定 ドームフラットスクリーンの設置場所の検討 アルミ蒸着蒸着装置の調査 11月16日 コッタミア泊 主鏡アキシャルサポートベースのスペーサ取付試行(失敗)、 その後変更しプラスチックシート取り付け、 主鏡アキシャルサポート高さ測定 11月17日 コッタミア泊 主鏡セル清掃後主鏡装着、主鏡アキシャルサポート動作確認 ニュートン焦点CCDカメラ取り付け、テスト撮像、北天・南天の 星像撮像で星像の確認 11月18日 コッタミア泊 CO2スノー鏡面洗浄装置の設置検討 ニュートン副鏡構造の調査(固定機構のクランプなしを発見 =>北天・南天での星像ずれの主因?)、 ニュートン副鏡の再組み立て 11月19日 コッタミア泊 ニュートン副鏡取り付け(望遠鏡南側から西側に取り付け場所変更)、 主鏡アキシャルサポート動作確認 ニュートン焦点CCD撮像後ニュートン副鏡位置調整 11月20日 カイロ泊 コッタミア−カイロ(安息日) 11月21日 カイロ泊 カイロ(安息日) 11月22日 コッタミア泊 カイロ−コッタミア ニュートン焦点CCD撮像およびコマフリー領域の調整のために ニュートン副鏡位置調整(複数回実施) 11月23日 コッタミア泊 固定点注意書き主鏡セルに添付、コッタミア工場および真空装置 視察・調査、夕食に我々のための歓迎送別会、 CCD撮像テスト(結果良好)、ハルトマンテスト 11月24日 カイロ泊 ハルトマンテストデータコピー、コッタミア->カイロ移動、 Hamed所長と会食(今後の作業計画を協議) 11月25日 機中泊 エジプト考古学博物館見学、カイロ->ドバイ-> 11月26日 ->関西空港->羽田 --- 以上 ---