2003/3/4 @VLT Jason Spyromilio: Telescope Scientist and Vice Director ・概論  3MVA ジェネレータ(1.2-1.3MVA を使用している)  マイクロ波 2Mbps でガルヒンとパラナルでつながっている。  電話にも別の 2Mbps マイクロ波を使用。  ドームに入るには、それぞれの望遠鏡のマネージャーのパーミッションが必要  夜間は TIO が望遠鏡の責任を持つ  望遠鏡マネージャーは望遠鏡、観測装置の準備をしてドームを開き、夜間スタッフに明け 渡す。ドームは明け方 Science Operation staff によって閉じられる。  観測装置のキャリブレーションは昼間に主に行う  M2 は 100Hz のティップティルトが可能。使用帯域は 10-20 Hz。38Kg Be製。  EPICS は VLT では使われていない。USA 以外には輸出できないため。また、80年代の デザイン。  インストゥルメントローテータ(ナスミス)は3トンを支えられる  イメージロテータはナスミスにはない。必要なら装置側が用意する。  ミラーカバーは通常開きっぱなし。上で何か作業があるときのみ閉じる。ミラーカバーは ハード的に不安定。  ウィンドスクリーンは横に開く。1枚1枚のルーバーは0,30,60,90度に回転できる。  外部の風速が18mの時トップリングの風速が16mとなるため、シャッターを閉じる  LCUは Az, El, AG, SH, Rotator/Adapter の5つあり、クーリングボックスに入っている。 CPU は Motorola Power PC.  IKON1,2,3,4(AzEl エンコーダーボード)はハイデンハイン製  タイミングインターフェースモジュール(TIM)は ESO で作られた  標準化されたボードを使う   FORS は3個 LCU がある  FORS は6ヶ月望遠鏡につけっぱなし。  電源、Network、チラー、クーラント、等を提供するサービスポートがドーム内に随所にある  装置独自のコネクション(ハードワイヤー)は許されない。  ドーム内温度は夜間の予想温度に冷やされている。気温予想はガルヒンでシミュレーション、 或いは、前夜の温度が使われる。  1.8m 干渉系用望遠鏡はヨーロッパでアクセプタンステストをしている ・主鏡支持  150本のアクチュエータ。20tミラー、20tミラーセル。GIATで作られた。  各アクチュエータはミニ VME を持っている  ミラーサポートは油圧支持で、アクティブサポートはモータで行う  セーフティアクチュエータがある。支持力が異常なときには主鏡を持ち上げてアクチュエータ から自由にする ・業者によるソフト開発  コントラクターのみが作った場合、エラーレートは2%。Royaltyはコントラクターの会社に。  コントラクターは ESO のリクアイヤメントに従う。  90% M1、 20% M2、 90% Dome ソフトウェアは ESO の人によって書き換えられている。  VLT が全てのソフトの改変権を持っている ・予算  全体予算は US$330M 望遠鏡の運用コストは US$16M、US$1M 油、US$0.5M 水。 ・標準化  安く、信頼性を高くするためにはすべてものに標準化が必須  1つの望遠鏡を運用するには最低限20人が必要(望遠鏡、装置、ソフト、その他)  ソフトを標準化することによって、どのプログラマでも問題点をフィックスできるようになる  ソースコードは 2.5Mライン ・ダウンタイム  ダウンタイムは0.5%HW, 0.5%SW, 1%リカバリータイム、計2%。  リカバリーを早くする近道は標準化である。 ・コントロールルーム  11スクリーン。1TV。1LaptopPC。  2 TCS screens  2 Guider&WFS  1 Weather 1 Trouble Report(Remedy) 2 BOBs 1 GeneralWS 2 WSs  コントロールネットワーク上ではHPのみが使われている  ユーザー、マネージャー、ルート、の3アカウントが用意されている  コントロールネットワークは外部から完全に隔離されている。  コントロールコンピュータには観測操作に必要なソフト以外はインストールしていない。 SSH, Netscape は使えない。 ・プロセス構造: BOB ↓ OS(ObservationSoftware) ↓ ↓ ↓ ICS DCS TCS ↓ ↓ TIF ↓ ↓ ↓ Instruments Detector TIF TelescopeControlWS  BOB, TCS, ICS, DCS は装置計算機上で走っている  CCS(Common Control Software) は LCC(Local ..) と通信する  CCSではTclスクリプトがメッセージシステムとして使われる  2種類の CCS CCS Heavy: Real Time System (RTAP) CCS light: No Real Time System  RTAP は HP からカナダの会社に移り、そこから提供されている  VLT では Linux は正式サポートがない点で採用を控える。  RTAP は5月に CCS に置き換えられる。    スクラッチから再度作り上げるとしたら、LabView で作ることも真剣に考えるべきか もしれない  LabView は油圧制御画面(ロ−カル)やエンジニアリングで使用。  VLTではPWカーネルは使っていないが、T-Pointのエッセンスのみ使っている ・観測手順  準備、プロポーザル作成、観測準備、観測実行、データ取得での機能の説明。 OPC(観測者はマニュアルでプロポーザルを作り上げる) P2PP(JavaGUI: TSF(Template Signiture File)をリファーしてOBを観測前に作り上げる)   OB -> Sybase(Garchen)   Sybase -> OB OT(観測操作) BOB(観測操作、シーケンサー)操作はパラナルスタッフが行う。 OB: Observation block ( Target name, RA, Dec etc) OT: Observation Tool  P2PP, OT, BOB は、shared DataBase(Sybase) 上の OB Data(OBD) を共有する。Sybase は ガルヒンとパラナルにある(duplicated)。  ビジターモード時には、P2PP, BOB が直接して接続して OBD を用いる。  個々の装置はそれぞれ BOB がある。    3種類のデータファイルが用いられる。 .tsf: Template Signiture File .obd: ObservationBlockData .seq: SEQuenceFile  BOBはこれら3つのタイプのファイルを読み込む  これらの3つのファイルタイプは全てASCIIフォーマット  観測者は、OBD, .seq などを直に見ることはない。  OBには様々なテンプレートが読み込まれる(ディザリング、装置設定、ポインティング、 インターナルキャリブレーション、その他)  1ターゲットにつき1つOBを作る  ドームフラットは撮らない フォーカルプレーンの直前にフラットスクリーンを置いて、フラットを撮る ・スケジューリング  ロングタームスケジュール:TAC  ミディアムタームスケジュール:ガルヒン  ショートタームスケジュール:1晩のスケジュールはスタッフアストロノマーが作る。 1夜分のキュー作成は1時間程度で済むので、ソフトでやるよりも安くつくようだ。  サービス観測は1観測期間に60夜(全共同利用の50%程度?)  キューの選択は機械で行わなくても人間が簡単に行う事が出来る ・AG/SH  リアルタイムシャックハルトマン   AGでは赤い光(30%) SHでは青い光(70%)    を使っている  AG星の典型的な明るさは12−14等級  SHは星の明るさによるが、典型的には20−30秒周期  観測手順は、望遠鏡ポインティング、ガイド開始、SH開始、サイエンス露出の順番。  423点がSH計算で使われている  ESOではAOはActiveOpticsの略  鏡面補正には lookup table は用いていない。うまくいかなかった。 ・スリット載せ  スリット載せ方法1 観測者はターゲットを選択する Sybaseからスリット位置を取り出す BOBがオフセット量を計算しTCSに送る  スリット載せ方法2 ターゲットとガイド星の座標が正確に分かっている場合、ガイド星をガイダーで とらえるだけでスリットにターゲットを乗せられる なぜなら、ガイドプローブの相対位置は非常に正確に(15mas)決められるから スリット載せの精度は70mas(1サイクルで?) マルチスリットの場合でも、マルチスリットの位置設定は精度が良いので、ガイダ プローブ駆動で十分なスリット載せが可能である。  夜間の観測見学では、実際のFORS1の0.7秒角スリットへのスリットポジショニングは、   望遠鏡ポインティング→AG,SH→露出→FORS画像でクリックターゲット →露出→FORS画像で確認  確認は必ずしも必要ないが、サービスモードでは観測者からのクレームに対処するために 必ず確認画像を残す [ガイダーに関する質問への回答から]  プローブの相対位置精度は 0.1 arcsec  視野は40arcsec  オートガイドは常にAG CCD上の同じ位置で行う(SHでも同じ場所に星を持ってくる必要あり)  焦点面の曲がりは自動的にAGのフォーカスが変化して合焦される  オフセットをするときにはガイドストップ、プローブ+望遠鏡駆動、ガイド再開  ガイド開始シーケンス:望遠鏡ポインティング、AG読み出し、ガイド星クリック、 望遠鏡シフト、AGの決まった領域の部分読み出し、ガイド開始(望遠鏡とプローブの 位置関係は変化させない)、SHスタート、TIOによるイメージチェック、TIO による OK、 サイエンス露出 ・スタッフ  夜間サポートチーム編成: 勤務時間は日没から日の出まで。 1 シフトリーダー 4 ナイトタイムアストロノマー 4 TIO  2 デイタイムアストロノマー 9時から日没後まで 装置の較正、キュー作成、観測者支援  アストロノマーは50% Duty 50% Science: 105日 Dutyとしてパラナルに滞在する  Fellow Duty: 80日 Duty としてパラナルに滞在する  TIOの勤務は夜間のみで、7 日オン 7 日オフ (移動を含めると8−6シフトとなる)。  アストロノマー+Fellowで38人  TIO は現在 12人、計画では19人まで増える  TIO は昼間作業はなし  TIO のトレーニングには2ヶ月かかる  TIO 構成は 1シフト構成は6人 4 UT 1 VLTI 1 AT 2シフト+1人余裕で計13人。  ソフトウェアエンジニアは12人 、8−6シフト  ソフトウェアエンジニアのジョブ: 5人チーム スタートアップサポート 1人 デイタイムサポート 1人 装置サポート 1人 :装置受け入れ、標準化 望遠鏡サポート 1人 コーディネーター 1人  150人が山頂で働いている。内、80人がESOスタッフ。70人はビジターかコントラクター。  エンジニアリングデパートメントには67人いて、2人のエンジニアに対し1人の テクニシャンの割合である  電気技師、メカニック、メインテナンス、ソフトウェア、装置グループでほぼ同じ人数がいる  勤務中のエンジニアとテクニシャン30人は下記装置、望遠鏡を担当。 4 VLT 11 装置 60 DelayLine 2 1.8m AT 1 4m tel 1 2.2 mtel 3 VLTI装置  アーカイブには3人を割いている  アドミニストレーターは3人  サイエンスオペレーション、エンジニアリング、アドミニストレーションの3組織がある  観測装置サポートに必要な人数を少なく見積もりすぎた。装置は良く故障する。 ・装置受け入れ:標準化  新装置をパラナルで受け入れるときには、開発グループからソフトウェアエンジニアを呼び、 1〜2週間でパラナライズ(標準化)を行う  装置開発者は良い物を使いたかったとしても、標準化されていない物であれば使ってはいけない。  標準化された物以外を使った場合には決して受け入れられない。  デザインレビュー時には装置チームは2週間前にドキュメントを用意し、1週間前に コミッティーから質問状が送られ、2−3日前までに回答を準備しておかなければならない。  パラナルで行われる基本的かつ重要なことはメインテナンス。 [装置コミッショニング]  AOの場合 90夜:コミッショニング15(1stRun)+15(2ndRun)+パラナル化+15(3rdRun)+45nights  通常の場合:15(コミッショニング)+ 15(パラナル化)nights  最近の赤外装置:10(コミッショニング)+10(パラナル化)nights  GTOの夜数は開発に要した ManPowerに応じて決められる。VIMOSの場合は120夜。  装置ハードウェアーの費用はESOが負担する。 ・ログ  全ての物はアスキーフォーマットでログされ、ログファイルはトレンドアナリシスや 故障予測に使われる。  ログはSybaseに保存され、毎朝チェックされる。  検出器のパフォーマンスもログに記録される。  全ての観測もログされ、観測システム、装置のテストとなる。 ・スタートアップ  装置、望遠鏡のスタートアップ、及び、キャリブレーション  装置は毎日スタートアップされる(シーケンサー OSF が使われる)  午後にはデイクルーが装置チェックツールをつかってチェックする  全てのチェックが終わってから午後5時か6時にハンドオフミーティングがある。 日中勤務、夜間勤務の全員が参加する。  マニュアルチェックリストもあり、TIOや夜間サポートアストロノマーが使用する ・Problem レポート  E-mail は Problem レポートには使わない。そのため、レポートシステムにレポートが ない場合には問題としては扱わない  Remedyは問題レポートシステムとしてはあまり良くないようだ ・ソフト開発  ソフトウェアメインテナンスエンジニアは不可能。開発無くしてソフトウェアメインテナンス は出来ない。  CCSの開発はガルヒンで28人のプログラマーが行う。パラナルではインハウスプロジェクト が動いている  インハウスプロジェクトの例:気象モニター、ログ抽出機能  ソフトウェアメソドロジー:UML(Unified Modeling Language) は必ずしも必要はない  標準コーディングルールがあり、CMM (Configuration Management) を使う  パラナルではどのバージョンにも4時間以内に戻せる  メインテナンスの人は Maxima を work order 用に使っている。部品等のストア状況、 場所等の情報が保持されている ・トレーニング  装置コントロールは TIO も、スタッフアストロノマーも行う  TIO は全ての望遠鏡を扱えるが、全ての装置が扱えるわけではない。  アストロノマーは望遠鏡をさわることが出来ない。  3−4人のサポートアストロノマーが各装置毎にオペレーションを行える  全てのアストロノマーが FORS を操作できる。  ISAAC を使えるようになるには1ヶ月のトレーニングが必要  これまでにスタッフアストロノマーはまだやめていないが、TIOは2人やめた  サイエンスオペレーションスタッフの平均年齢は30代前半 ・サービス観測  現状では60%−65%サービスモード(リクエストは75−80%サービスモード)、  パラナル側としては50%サービスモードを希望している  観測者と操作者間のコミュニケーションがサイエンスには非常に重要  観測者がパラナルに来ることが観測者のアイデアを取り入れる良い機会  サービスモードには適応しない観測がある  観測者がパラナルに来ればリモート観測は必要ない  望遠鏡操作は1時間に4回のマウス操作で十分。TIO の積極性を維持するのが重要。退屈だ がそれが仕事。 ・ユーザフィードバック  ユーザーフィートバックはミッションレポート、プロブレムレポートに基づく。  コンフィグレーションコントロールボード(ESO General, Paranall: 1ヶ月に1回)が 検討するが、基本理念を崩さないことが前提  パラナルのコンフィグレーションボード:3人のサイエンティスト(望遠鏡、装置、VLTI) が入っている  観測者は観測オペレーションのボスではない。オペレータやサポートアストロノマーが オペレーション、データアウトプットに責任を持つ  1セメスターで700プロポーザル ・ドキュメンテーション  ドキュメンテーションはフレームメーカーが使われている。Word も使われている。  ドキュメンテーションサーバはガルヒンにある。エントリーポイントは一カ所である。  ソースコードは CVS 上に構築されたガルヒンにある CMM (Source Code Documentation System) でアーカイブされている。 ・スタッフタイム  スタッフアストロノマーのスタッフタイムはない  所長時間が5%(TOO,RiskyObs,etc) ・観測完了判断:標準星とサイエンスターゲット  1つのOBには1つのターゲットのみ記述。標準星も1つのOB  OB間の関係はReadmeにかかれていて、サポートサイエンティストがReadmeを読み、 タイミングを考えて実行する。  完了判断もサポートサイエンティスト任せ。  観測者は1ページのサブジェクトとファインディングチャートを用意する ・クオリティコントロール  イメージクオリティはパラナルでスタッフアストロノマーによってチェック  大気量等のチェックもする  S/Nはチェックしない  データはガルヒンに24時間以内に送られ観測完了をチェックする  キャリブレーションデータのみガルヒンに転送されている ・スタッフスケジュールチャート  DutyScheduleChartは3〜4日に1回更新(Excel Sheet) ・プロポーザル取り扱い  セメスタ 700 プロポーザルがある。  プロポーザルは TAC で CutLevel が決められるが、パラナルでテクニカルフィージビリティ をチェックした後に更に TAC で CutLevel の調整が行われる。  Visitor モードでは装置が故障しても装置交換はない。望遠鏡が故障しても天候悪化と 同じ扱いで補償されないが、サービスモードで実行されることがある。  TOO はサービスモード中でのみ実行され、Visitor モードで TOO を実行しても補償は されないが、特殊なケース(GalacticSuperNova etc.)では所長判断で時間を取り上げられ る。(望遠鏡は観測者の物ではない) ・WareHouse  ビジターは1年に5000人。  パラナルの150人中80人がESOスタッフ。  WareHouseでは30人が働いている  アルミ蒸着は18ヶ月に1回、1回6-7日(目標3日)、+2日バッファー。  これまでに主鏡、副鏡含めて43回使った。  8m主鏡は年に3回蒸着に入ってくる  チェンバーはクリーンルーム内に入っている  アルミ蒸着のための主鏡着脱手順の説明があった  蒸着後のテストはキャリブレーション程度のみ  ミラーの制御はサーボループなので取り外し前の状態に戻すことができるそうだ  消防車、救急車、医者もサイトにいる  運営費の内 $1M がディーゼル発電用、$0.5M が水用  装置受け入れ用の設備があり、フランジ、ネットワーク等、実物と全く同じインター フェースが用意されている。AT(Auxiliary Telescope)用ベースもある。 Original: G. Kosugi Revised: T.Sasaki